フェアウェイで光る

ゴルフのラウンドはカート派、それとも歩く派?

どちらが好みにせよ、ハイセンスなアイテムで差を付けたい。

PHOTOGRAPHY BY FRANKIE BATISTA STYLING BY HEIDI MEEK

TITLEIST アイアン, $175; titleist.com

G/FORE セーター, $195, ポロシャツ, $125, 帽子, $35; gfore.com



アメリカの作家マーク・トウェインは、「ゴルフはせっかくの散歩を台無しにする」と言ったことで知られる。だがトウェインがまだ生きていて、ガリアのゴルフカート「ヴィア」を目にしたら、その考えを変えたかもしれない。この公道走行可能な低速車(LSV)は、軽量アルミニウムのシャシーに、12インチの特注アルミホイール、高性能の制御パネル、スポーツタイプの座席、ダッシュボードのビルトイン冷蔵庫など、こだわりの装備が特徴。オプションのパッケージ「Masonry」を選択すると、クリア塗装のカーボンファイバーを要所に用い、内装をグレードアップできる他、後部にゴルフバッグ用コンパートメントも付けられる。


「カートなんて邪道」という歩く派には、ヴェゼルのスタンド式キャディバッグ「プレーヤー2.0 」がお薦めだ。ヴェゼルはPGAツアーのトッププレーヤー(リッキー・ファウラー、トミー・フリートウッドなど)も愛用するゴルフバッグのメーカーで、約10年にわたり上質かつ上品な物作りで高い評価を得てきた。同社のトップセラーコレクションであり、最新作にあたるこのキャディバッグは、内枠が6または14分割の2タイプがあり、本体には丈夫で手入れがしやすい合成皮革(裏地はマイクロスエード)が使われている。


歩く派にもうひとつお薦めなのは、トゥルー・リンクスウエアのゴルフシューズ「OGプレミアム」だ。同ブランドの、まさにプレミアモデルとなるこのシューズは、素材にしなやかなフルグレインレザーを採用。368グラム弱という軽さと自然な幅のつま先部、そしてつま先とかかとが同じ高さになる「ゼロドロップ」構造が、裸足のような履き心地を生み出す。この靴なら同ブランドのキャッチコピー通り、「歩くことを楽しむ」ことができるはずだ。

GARIA ゴルフカート, from $19,682; garia.com


GALVIN GREEN ベスト, $199; galvingreen.com

J.LINDEBERG ポロシャツ, $95; jlindebergusa.com

HUGO BOSS パンツ, $158, and hat, $78; hugoboss.com

PUMA ベルト, $50; pumagolf.com

TRUE OG 靴, $179; truelinkswear.com

G/FORE グローブ, $35; gfore.com

VESSEL スタンド式キャディバッグ「プレイヤー2.0」, from $345; vesselbags.com

TITLEIST クラブ 8本セット, $1,399; titleist.com

G/FORE ポロシャツ, $125, パンツ, $165, 靴, $225, グローブ, $35; gfore.com


歩くゴルフを満喫する

この海沿いのリゾートでは、ゴルフの“本当の楽しさ”が味わえる。


アメリカ、オレゴン州南部の太平洋を望む砂丘地帯に、本格的なリンクスコースを持つゴルフリゾート、バンドン・デューンズ・ゴルフ・リゾート( bandondunesgolf.com )がある。そのコースに投影されているのは、デベロッパーのマイク・カイザーが思い描くゴルフの理想形だ。中でも「(カートなしの)歩くゴルフ場」にはかなりのこだわりがある。自然のあらゆるコンディションを体感しながらプレーすること、それこそがこのスポーツのあるべき姿だと考えているからだ。


ゴルフ部門責任者のスティーブン・ボラーは2005年、ここで働き始めた最初の週に、「雨の中でプレーする」という4人組の用具選びを手伝った。だがその2時間後、天候はさらに悪化し、土砂降りになってしまう。そこでボラーは4人の元へ向かい、過酷なコンディションの中へ送り出してしまったことを詫びようとした。ところが4人は土砂降りの中でのプレーがいかに楽しいかを語り、さらに「あと9ホールやってもいいか」と尋ねてきたのだった。「その時、気付いたのです。ここは他のゴルフ場と全くうのだと」 とボラーは言う。「ここでは誰もが、準備中もプレー中も、天気のことばかり話しています。一番覚えているのも、天気のことなんですよ」。

ボラーいわく「いずれにしても“歩くこと”が大切なのです。友人とゴルフコースを歩くと、お互いに心から打ち解けますよね」。同リゾートの18ホールコースを手がけた設計家デビッド・マクレー・キッドも、ボラーと考えを共にする。「私たちは皆、本物の体験と唯一無二の経験を求めてゴルフをします。ですが、どんなに美しい場所でもカートで大急ぎで回ったら、周りの景色を眺める時間も仲間と語り合い、笑い合う時間も十分に取れないでしょう」。

キッドは言う。「真にゴルフらしいゴルフを楽しみたいなら、ただ履き心地の良いシューズを履いて、カートに乗らず、歩き出せば良いのです」。—S.T