インカ帝国の“失われた都市“と呼ばれるマチュピチュ遺跡は、アンデス山脈の山頂、標高約2450メートル地点に立つ神秘の城砦だ。1911年にイェール大学の歴史学教授Hiram Bingham IIIが発見して以来、マチュピチュ遺跡は世界屈指の観光地として多くの観光客をペルーにいざなってきた。さらにここ数年は周辺地域の人気も高まり、ペルーはマチュピチュ遺跡にとどまらず、一週間かけて各地を巡る観光大国に進化を遂げている。主な見所は、マチュピチュ遺跡の入口となる都市クスコと、クスコとマチュピチュ遺跡の間に横たわる“インカの聖なる谷”ウルバンバ渓谷だ。そしてその近隣にも大規模な古代遺跡や自然の名所、文化体験ができる施設が数多くある。ペルー料理はこのところ爆発的な人気を集めていて、クスコやウルバンバ渓谷、遺跡の麓にあるマチュピチュ村（旧称アグアスカリエンテス村）とその周辺に新しいレストランが次とオープンしている。そんな人気観光地でトップクラスの宿泊施設を紹介しよう。
エクスプローラ・バジェサグラドは古代インカ帝国の中心地に位置する、この地域唯一のオールインクルーシブ制アドベンチャーロッジだ。宿泊客はクスコ市街やマチュピチュ村への一日ツアー（３時間の遺跡観光を含む）に参加し、残りの日はバンや自転車、あるいは徒歩で、マチュピチュ遺跡ほど混雑していない近隣のスポットを巡る。この他、ウルバンバ渓谷やその周辺の古代遺跡、人里離れた村々を訪ねるツアーも用意されている。客室はトウモロコシ農園の中にあり、全50客室。敷地内にある17世紀築の領主館を改装した建物は、温水プールとサウナを完備した高級スパに生まれ変わっている。 explora.com
地元ペルーを拠点とするエコツーリズム会社インカテラは、マチュピチュ遺跡周辺で４軒の宿泊施設を運営している。４軒とも多彩なアクティビティーやツアーが宿泊料金に含まれる他、オプショナルツアーも豊富だ。ハシエンダ・ウルバンバは、ウルバンバ渓谷に約40ヘクタールの敷地を持つ牧場スタイルのホテル＆スパ。遺跡に程近いマチュピチュ村のマチュピチュ・プエブロは、83棟のヴィラが並ぶリゾート。同じくマチュピチュ村にあるエル・マピは130客室のモダンなホテルで、クスコにあるラ・カソーナはコロニアル様式の豪華なデザイナーズホテルだ。いずれもマチュピチュ遺跡へのガイド付きツアーなど各種ツアーを提供している。また、一度の旅行で複数の系列施設に宿泊する旅行者も多い。 inkaterra.com
ベルモンドといえばブラジルのイグアスの滝のそばにあるホテル・ダス・カタラタスが有名だが、マチュピチュ地域でもラグジュアリーホテルブランドとしての確固たる地位を築いており、ホテル６軒と、人気の「ハイラム・ビンガム」号含む２本の観光列車を運営している。「ハイラム・ビンガム」号は、やはりベルモンドが運営する「オリエント急行」（ロンドン－ベネチア間）と同様の豪華列車で、真ちゅう、レザー、木材を使って贅沢に仕立てた1920年代の客車を使用。クスコ市街とマチュピチュ村を結ぶこの食堂車付きの列車は宿泊先にかかわらず多くの旅行者が利用し、タイムスリップしたような旅を楽しんでいる。その後ベルモンドは、南米で二つ目となる豪華列車として16両編成の寝台列車「アンデアン・エクスプローラー」号の運行を開始。クスコ、アレキパ、プーノ、チチカカ湖を結ぶ、世界でも指折りの標高の高いルートを走る１泊または２泊のツアーを提供している。ベルモンド・ホテル・モナステリオは長年、クスコを代表するホテルとして知られている。より小規模なベルモンド・サンクチュアリ・ロッジはマチュピチュ遺跡のある山の上に立つ唯一のホテルで、まさに遺跡公園の入り口横という遺跡に最も近い立地。ラス・カシータス・ベルモンド・ホテル・コルカキャニオンは、ペルーで最も新しいベルモンド系列ホテルで客室数はわずか20室だ。 belmond.com
ペルーのホテル運営会社リベルタドールは、この地域で注目すべき２軒のホテルを運営している。どちらもマリオット・インターナショナルが展開する「ラグジュアリー・コレクション」の加盟ホテルで、一つ目のパラシオ・デル・インカはクスコの中心部にある豪邸を改装した大型ホテル。二つ目のタンボ・デル・インカはウルバンバ渓谷にある豪華リゾートで、屋内外のプールと贅沢なスパ施設を併設している。ここはまた、敷地内にマチュピチュ行きの専用鉄道駅を有する唯一の宿泊施設でもある。libertador.com.pe —Larry Olmsted
