本物の孤島
タヒチのプライベートアイランド、ヌクテピピ島。最も近い都市が約730キロ先というこの筋金入りの孤島ほど、“確実なプライバシー”が約束されたリゾートはない。

フランス領ポリネシア、ヌクテピピ島の環礁は上空から見ると人差し指を曲げたような形をしており、その幻想的な海岸線が旅情を誘う。今から10年以上前、シルク・ドゥ・ソレイユの創業者で億万長者のギー・ラリベルテが、ツアモツ諸島のこの珊瑚礁とラグーンに抱かれた約2.6平方キロの楽園を購入。その後、何年もかけてリゾートを建設し、現在、7泊112万ドル(約1億2200万円。50名までの貸し切り専用)という価格で貸し出している。

リゾートの設計を手掛けたのは、ラリベルテがハワイ島に所有する物件と同様、フランス人建築家のRichard Duludeだ。家具ブランドのデドンやレストレーション・ハードウェアの調度品を配した屋内外の空間は、くつろぎを感じさせつつも都会的な雰囲気。熱帯植物に囲まれた、客室の中で最も美しい場所にあるマスターレジデンスは2ベッドルームで、プライベートプールと広い屋外ラウンジを備えている。この他、同じくプライベートプールと屋外ラウンジを備えた2ベッドルームのジュニアヴィラが2棟あり、バンガロー13棟は原始の自然が残るビーチに並んでいる。

ラリベルテはニュクトピピ島の施設を完全自給自足、かつカーボンニュートラル(CO2の排出量と吸収量をプラスマイナスでゼロにする)で運営することを目指している。最も近い都市と港が約730キロ先という立地では容易ではない挑戦だが、リゾートでは現在、25種類のオーガニック果物と37種類のオーガニック野菜を栽培し、ミツバチとニワトリを飼育し、雨水を集め、太陽エネルギーを使用してこの課題に取り組んでいる。確かにこの立地は建設や輸送の面での難点はあるが、それだけにプライバシーの確保は保証付きだ。プライバシーに最大限の配慮が必要な人にとっては、まさに理想的なリゾートと言えるだろう。なお、プライベートジェットで訪れる場合はタヒチの首都パペーテまで飛び、そこから別のフライトをチャーターする必要がある。

シンプルな楽しみを求める人は、ヴィラ内のベッドや、見晴らしを計算して配されたビーチ沿いのハンモックなど、数多くのビューポイントから至福の景色を眺めよう。島を散策すれば、さまざまな種類の鳥や、一日の特定の時間に一斉に海へ向かうヤドカリにも遭遇する。また、島内のあちこちに飾られた、ジム・ダインやヴィム・デルボアの思考を刺激する彫刻を鑑賞しながら散策するのもいいだろう。

この他、リゾート設立にあたってラリベルテが重視したのは、ゲストをただ一人も退屈させることのない充実したアクティビティーをそろえることだった。用意されたラインアップはウォータースポーツはもちろん、サイクリングにテニス、バスケットボール、バレーボール、ミニゴルフ、アーチェリー、天文台での天体観測、展望台にのぼってアンティークの望遠鏡を覗くホエールウォッチング、設備の整ったジムでのエクササイズ、スパでのトリートメント、ゲームルームでのハイステークスポーカー(高額を賭けるポーカー)、シアターで映画を見ながらの水タバコ、ビーチバーKaipoaでのプロ仕様のサウンドシステムの使用など。飲食施設はレストラン2軒とフードトラックが1台。さらに、フィットネスコーチ、ヨガインストラクター、ポリネシアのミュージシャンやダンサー、タトゥーアーティストも追加料金で手配できる。 nukutepipi.com  —Rima Suqi

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