スキルの問題
奇跡のショットを成功させるために、高度なスキルを誇る熟練のゴルファーは細部にこだわる。そのこだわりに応える形で、違いのわかるゴルファーのために用意されたゴルフ用品コレクションはスコアメイクの必須アイテムだ
ショーン・トルソン
タイトリスト CNCPTアイアン
CNCPTアイアンは史上初めて、希少な航空宇宙用金属合金を用いたL字型フェースインサート搭載のヘッドデザインを採用した。そのおかげで、タイトリストは、市場で最も薄く、安定感に優れ、均一な厚さのフェースを持つクラブを誕生させている。タイトリストは、数年前に立ち上げた実験プログラムを通じて、ものづくりのコンセプトと素材の先進性の両面においてゴルフクラブのデザインの限界に挑戦してきており、そこから今回のイノベーションが生まれた。さらに 100 グラム以上の高密度タングステンを使用することで、極上の打感と究極のボールスピードを実現している。タイトリストのゴルフクラブ研究開発部アイアン開発部長のマーニー・イネス氏は、「ヘッドは小さめでも十分な量のタングステンを使用しているため、スイートスポットを外しても悪影響を最小限に抑えられます」 と語る。「そのおかげでねじれが小さくなり、インパクトの瞬間にクラブの安定性が高まるのです」。500 米ドル。 titleist.com
Arccos Caddie
Arccos は、ゴルファーのための人工知能プラットフォームであり、各クラブの先端に装着されたセンサーが、ラウンド中に何千ものデータを収集する。Arccos は、ゴルファー各クラブで飛距離に関する情報を蓄積し、システムのアプリ(またはベルトやウエストバンド、ポケットなどに留められる小型のウェアラブル端末)を通じて、プレイ中のホールの任意の地点までの正確な距離や最適なクラブを知らせてくれる。さらにストロークス・ゲインド・アナリティクスという分析システムを通じて、ゴルファーのパフォーマンスを測定し、弱点を把握して練習方法まで提案してくれる。Arccos Caddie によると、新規ユーザーの平均スコアは1年間で5ストローク改善したという。280 米ドル。 arccosgolf.com
FootJoy プレミアシリーズ
プレミアシリーズのゴルフシューズは、クラシカルなデザインと最新機能を備えたモデルとして設計されている。最大の特徴は、バーサトラックスプラスアウトソール機能である。ゴルファーがどんな姿勢をとっても地面をしっかり掴めるように、アンチチャネリングというトレッドパターンを採用した。しなやかなレザーと超軽量の合成素材を使用した新しいシューズは、3種類とも、ブランドの歴史において重要な人物に敬意を表したモデルである。例えばフリントは、1920年代にFootJoy初のゴルフシューズを開発したハーバード大学出身のパーリー・フリント氏にちなんで命名された。各ゴルフシューズは、複数のPGAツアー出場ゴルファーとのコラボレーションによるデザインを誇っており、スタイリッシュなファッション性とゲームの流れを変える機能性が魅力である。220 米ドルから。footjoy.com
グラインドワークス PR-202 アイアン
PGA ツアーで活躍するパトリック・リード氏が、日本企業グラインドワークスと共同で設計したアイアン。7 本セットで、マッスルバックとキャビティバックのアイアンを組み合わせることも可能だ。1 本目の CNC 鍛造キャビティバックモデルは、「基本に忠実」 に設計されている。マッスルバックは、重心を高くすることで、より強力な弾道を生み出しており、ショットの飛距離を制御しやすいように工夫されているのが対照的だ。セットは 2 種類用意されている。1 つ目は、4 番と 5 番のアイアン(キャビティバック)に 6 番アイアンからピッチングウェッジ(マッスルバック)まで追加したセット。2 つ目は、4 番・5 番・6 番アイアン(キャビティバック)に 7 番アイアンからピッチングウェッジ(マッスルバック)までを追加したセット。1,597 米ドル(セット価格)。 grindworksusa.com
Artisan Wedges
Artisan Golf は、アマチュアゴルファーが上達するために最も有効な練習はショートゲームだ、という現実をふまえた経営理念を掲げている。つまり、ウェッジこそが注目に値するクラブなのだ。数々の一流企業で数十年にわたってクラブを製造してきたベテラン職人 2 名によって設立されたブランドは、テキサス州フォートワースの本社で対面式のフィッティングを行う。手作業で研磨されたウェッジは、メジャー優勝者のジェイソン・デイ氏をはじめ、PGAツアーで活躍中のゴルファー大勢に愛用されている。創業者は、ツアー中のサポートとパフォーマンスの状態に合わせたカスタマイズをあらゆるゴルファーに約束している。難点は一つだけ。現在、同社は左利き用のクラブを製造していない。300 米ドルから。 artisangolftx.com
GolfLogix グリーンブック
ゴルファーは、同一コースを何度もプレイすることで、コースに関するデータバンクを充実させて、パッティンググリーン面の微妙なニュアンスを学習する。これにより、グリーンを正確に読むことが可能になるだけでなく、当日カップをどこにレイアウトするかに応じて、より適切なアプローチショットが打てるようになる。ツアーに参戦中のプロ選手は、その週にプレイするコース上のグリーンすべての詳細な地図が掲載されたグリーンブックを入手している。地図はパッティンググリーン面全体の傾斜を示しており、今ではアマチュアゴルファーも同様の本を購入できる。アリゾナ州を拠点とする GolfLogix は、GPS を駆使したテクノロジーでゴルフの3次元ホールマップを作成しており、これは携帯型デジタル端末で共有できる。印刷版のグリーンブックは1冊につき1つのコースを対象としているが、電子版と同様の利点がある(GolfLogix は人工衛星を用いて、全米 14,000 以上のコースをマッピングしている)。ラミネート加工されたグリーンブックは40ページあり、各ホールの地形を 2 つの方法で表示している。クイックビューのヒートマップはパッティンググリーン面の起伏を示しており、もうひとつのグリーンマップは見やすい矢印と等高線で傾斜の方向を示している。40 米ドル。 golflogix.com
PXG 0311 GEN4 アイアン
PXG の次世代の主力アイアンは、従来のモデルよりも性能が向上しただけでなく、外観も見違えるほど進化した。高密度のタングステン合金製ウェイト 9 個がクラブヘッドの周縁に巧みにはめ込まれている。その代わり、クラブの重心付近に大きめのウェイトが 1 つ配置された。アイアンの標準仕様に従うとウェイトは 8 グラムだが、PXG のクラブフィッターは、ゴルファーの個性に合わせて最適なスイングウェイトを 2 グラム単位で調整してくれる。PXG プロダクト最高責任者であるブラッド・シュワイガート氏によると、アマチュアゴルファーの体力や柔軟性、スイングスピードは千差万別なのにもかかわらず、これまで一般消費者向けのスイングウェイトは同一であったという。「これまでは多彩なオプションを体験していただく機会がなかったのです」 とシュワイガート氏は言う。「現在は、効率よく簡単にヘッドの質量変化を体験していただく方法をお客様にご案内しています。史上初めて、ヘッドの質量を調整するシンプルで効率のよい方法をフィッティングティーに導入しています」。350 米ドル。 pxg.com
Argolf パター
熟練ゴルファーにどのクラブを愛用しているか聞くと、さまざまな答えが返ってくる。ただしゴルフバッグの中で最も大切なクラブは何かと尋ねた場合、大多数がパターだと答えるだろう。フランス企業 Argolf では、航空業界出身の兄弟 2 人がクラブにミーリング加工を施している。ゴルファーに自信を与え、前向きな感情を喚起するのは平らなスティックであることを、よく理解しているのだ。さらにパターは、パットの明暗を分ける。Argolf のパターは、ドイツ製ステンレススチールの塊からさまざまな形やサイズに削り出されて、金属表面の光の反射を拡散させるために陽極酸化処理などが施されている。さらにトップスピンをかけやすくするために設計された独特な形状の溝(ルール適合)など、最先端技術が採用されており、特許も取得済みである。アーサー王伝説の発祥地からほど近い、フランスのブルターニュ地方で製造された Argolf のパターは、伝説に敬意を表して命名されている。パターの名称が性能に影響を与えることはないだろうが、ゴルフバッグから 「エクスカリバー」 を取り出したゴルファーは、少なくともささやかな自信を胸にパッティングを打つことになるだろう。300 米ドルから。 argolfusa.com