King Tec Hybrid club

話題の秘密兵器

今年の「PGAマーチャンダイズショー」に出品されたゴルフクラブやトレーニング器具から、

話題の10製品をピックアップ。

BY Shaun Tolson

ゴルフクラブ

近年すっかり市民権を得たユーティリティー( ハイブリッド)クラブだが、その性能は万人を満足させるまでには至っていない。Cobra Golfはこの点に着目し、標準ロフトの選択肢4種類と十分な調整機能を備えた、汎用性の高いゴルフクラブ「King Tec Hybrid」を開発した。クラブヘッドには、スピン、打ち出し、ドローもしくはフェードバイアスに影響を与える3つの調整可能なウエイトポート(ウエイトを取り付ける穴)を装備。これまでユーティリティークラブを敬遠していたゴルファーにもアピールする仕上がりになっている。1本300ドル。 cobragolf.com

Callawayのゴルフクラブシリーズ「Paradym」の新作は、どの1本をとっても見逃せない名品ばかりだ。注目株はやはりウッドだが、“飛び”と、“(打ち心地の)優しさ”を完璧に両立させたアイアンも捨てがたい。アイアンは4番からギャップウェッジまでそろい、人工知能(AI )を使って設計されたフェースがショットを最適化する。これにより理想的なボールの初速、打ち出し角、スピンが(時と場所に応じて)安定的に実現。また、新開発の「スピードフレーム構造」により、ボディーの剛性と安定性もアップしている。1本200ドル。 callawaygolf.com

Titleistのドライバーは、飛距離の長さこそ他のブランドに譲るものの、コントロールの良さと安定感で高い評価を得ている。そうした特徴は新製品「TSR drivers」にも引き継がれているが、2年半前に発売された先行モデル「TSi」に比べると、さらにボールの速度が上がりやすく、それに伴い飛距離も出やすくなった。空気力学に基づき、より速いスイング速度を生み出すボート・テール・シェイプ(船の後端部に似た形状)をソール後部に採用。フェースの素材には航空宇宙グレードのチタンを使用している 。1本600ドル。titleist.com

2022年、LA Golf はフルカスタマイズ可能なオールカーボン製のパターを発売した。それはクラブのシャフト部分のみを製造していた同社が手掛けた、初のゴルフクラブだった。そのデビューに続いて今回、LAゴルフは第2世代モデルとなる「Bel-Air」(ブレード型パター)と「Malibu」(マレット型パター)の2シリーズを発表。パターヘッドはオールカーボン製で、鋼鉄のわずか5分の1という密度により、スイートスポットが大幅に広がったのが特徴だ。両シリーズとも、同社ならではの防振シャフトを採用している。1本500ドル。 lagolf.co

ローンチモニターとゴルフシミュレーター

ゴルフシューズ

ボールやクラブの速度などを計測するローンチモニターには膨大な選択肢があるが、価格と機能性のバランスの取れた、「これぞ」という1台はなかなか見付からない。そんなジレンマを解決してくれるのが、Golfzonの「WAVE」だ。「WAVE」はローンチモニター兼ゴルフシミュレーターという、お得な1台2役。ローンチモニターとしては、24種類以上のパラメーターでボールの弾道を追跡する。精密な赤外線技術を使った付属のパターマットと組み合わせるとゴルフシミュレーターに変身し、100以上の有名コースをバーチャル体験できる。1台4000ドル golfzongolf.com

Boxtoの「Heritage」シリーズは、1950年代のクラシックなスタイルを取り入れた高級志向のゴルフシューズ。素材はエキゾチックレザーまたはフルグレインレザーで、職人が手作業で仕立てている。ウッドソールはTPU加工を施し、耐水性を強化。また、アッパー(甲部)は撥水仕様で、ライナー(アッパーの内側)には希少なカーフスキンを使用している。しかしこのシューズの最大の特徴は、快適さとクラシックな美しさだ。それはシューズへのこだわりで知られる全米オープン覇者、ジム・フューリックがブランドアンバサダーを務めていることからも明らかだ。1足1200ドル boxtogolf.com

トレーニング器具

パターの腕を上げたい?それなら拡張現実(AR)の助けを借りよう。ドイツのメーカー、PuttViewから発売された「PuttView X」は、マイクロソフトのARヘッドセット「HoloLens2」を活用したパッティング練習システム。これ1台で、あらゆるグリーン上の勾配を瞬時に把握できる。さらに、ユーザーが音声コマンドでカップ位置とパットのスタート地点を特定すると、センサーが作動して、カップインを決めるために必要なセットアップ(構えや体の向き)や、理想的なラインのマッピングをゴーグル内に表示する。1台1万4480ドル。 puttview.com

EMS( 筋電気刺激)は新しい技術ではなく、低周波のパルス電流を利用して筋肉を刺激・収縮させる応用法は数十年前から使われている。また、この方法で外的負荷をかけずに筋力アップや健康増進を図れることも、医学的に検証済みだ。アメリカ・ラスベガスに拠点を置くKatalystから発売された筋肉増強ボディースーツは、そんなEMSの技術を活用したもの。ユーザーはこのスーツを着て、専用アプリに配信される10~20分間の豊富なエクササイズ動画に沿ってトレーニングを行う。なお、トレーニングに必要なボディースーツはユーザーの体格に合わせたものが提供される。システム一式で2385ドル。分割払いの場合、月々66ドル。 katalyst.fit

デジタル付属品

マグネット式Bluetoothスピーカーの登場により、ゴルフのラウンド中でもゴルフカートにスピーカーを貼り付けて音楽を楽しめるようになった。しかしゴルフカートがなかったら?―― そんな時はTecTecTecの小型Bluetoothスピーカー「Team8 S」が役に立つ。これを腰などにクリップで留めれば、カートを使わずに歩いて回るゴルファーも、好きな場所で音楽が楽しめる。グリーンのフロント/ミドル/バック、またハザードまでの距離を測定できるGPS機能付き。1台100ドル。 us.tectectec.com

キャディーと一緒にコースを回る最大のメリットは安心感とコースの知識を得られることだが、旗までの距離を熟知しているキャディーでも「バンカーのエッジから旗までの間に、グリーンが何ヤードあるか」という問いに答えられる人は少ない。また、そうした演算は距離計測器が長年苦手とするところだった。しかしGolfzonの新型レーザー距離計「CaddyTalk CUBE」は、2点間の距離を三角法で割り出すアルゴリズムでこの弱点を克服。さらに、温度、高度、湿度を反映して距離を割り出す「eスロープ」機能も搭載。これにより、“打つべき距離”が正確に測定される。1台350ドル。 caddytalkusa.com