マーロン・ブランドの第二幕
フランス領ポリネシア、テティアロア環礁の自然環境を守りながら、この地域ならではの癒やしの休暇を人々に提供する――俳優であり環境保護活動家でもあるマーロン・ブランドのそんな夢を形にしたのが、エネルギー自給自足型のプライベートアイランドリゾート、ザ・ブランドだ。

南太平洋に浮かぶ宝石のような島。そこにあるヴィラ35棟の密やかなリゾート、ザ・ブランド(thebrando.com)はプライバシーを求める旅人の究極の隠れ家だ。タヒチの北約50キロ、専用機でしかアクセスできないこのヤシの木に縁どられた楽園は、周囲を珊瑚礁に囲まれ、部外者を寄せ付けない。

マーロン・ブランドが初めてこのラグーンを擁する12の小島群――テティアロア環礁に訪れたのは、1960年代初頭のハリウッド映画『戦艦バウンティ』(原題:Mutiny on the Bounty)のロケ地探しの時だった。ブランドは一目でこの島の自然と、地元出身の主演女優タリタ・テリピアの美しさに魅了される。そして1967年、北米の歯科医から環礁を購入し、島の1つに地元産の建材を使って滑走路とバンガロー、レストラン、バーを建設。以前から熱心に環境保護活動に取り組んでいたブランドは、この自身のサンクチュアリで、海洋農業など地球に優しい取り組みを試していく。

ブランドは亡くなる5年前の2004年、ホテル開発会社パシフィック・ビーチコマーのCEO兼会長Richard Baileyに、“CO2排出ゼロ・リゾート”に向けてのサポートを依頼する。それが実現した後、この五つ星ホテルは環境に優しい建物に与えられるLEEDの最高認証「プラチナ」を、リゾートホテルとして世界で初めて取得。正真正銘の、地球上で最も環境に優しいリゾートとなった。

ザ・ブランドはまた、「テティアロア協会」に資金を提供している。この協会は島のエコシステムを運営しながら、科学者と共に自然との共存と持続可能性を研究する非営利団体だ。ブランドはかつてこう記している。「私が全力を尽くせば、テティアロア環礁はこれからもずっと、タヒチの人々が自らの価値やルーツを感じられる場所であり続けるだろう」。

環境保全と再生可能エネルギー推進の担い手であるザ・ブランドは、モツ(小島)の美しい自然環境を守るための費用を惜しまない。リゾートでは消費エネルギーの3分の2を4000枚以上の太陽光発電パネルでまかっている他、客室の冷房は、深海の冷水で空気を冷却する海水空調(SWAC)を採用している。この装置は1200万ドルを投じて開発されたもので、通常の冷房に比べ、エネルギー効率が高い。

また、ザ・ブランドはそのリサイクルシステムにおいても数々の賞を受賞している。例えば水の循環システムでは、雨やその他の水を洗濯や庭園に使用し、さらにそれを処理してプールの水に再利用する。食品廃棄物は堆肥化してオーガニック菜園で使用し、そこで栽培された果物や野菜、ハーブをレストランに供給する。なお、レストランで使用され、ショップでも販売されているハチミツ(そしてビーチサイドにあるBob's Barのカクテルに使用されるハチミツ)も、60個以上の巣箱を使って敷地内で生産されたものだ。

もちろんエコフレンドリーなホテルであっても、快適さにも妥協はない。地元産の木材で建てられたヴィラは、全てオーシャンフロント。内装は落ち着いたアースカラーで統一され、プライベートプール、仕切りのある屋外バスタブ、メディアルーム、屋外ダイニングエリアなどを備えている。それだけでなく、各ヴィラごとのプライベートビーチで、完全なお忍びの日光浴も楽しめる。

ザ・ブランドに宿泊したら、リゾートの思いをより深く理解するためにも、シュノーケリングやスキューバダイビングに挑戦してみたい。まるで珊瑚の庭園のような海には、マダラトビエイなどのエキゾチックな魚や、ウミガメ、カマストガリザメなどが生息している。スタンドアップパドルボードやカヤック、ウィンドサーフィン、ポリネシア伝統のアウトリガーカヌーなどで、幅約5キロのラグーンを探索するのもいいだろう。2.5時間の「究極のテティアロア環礁ツアー(Tetiaroa Ultimate Tour)」ではガイドと共に屋根付きボートで、水面から木の枝がアーチ状に伸びている“億万長者のプール(Billionaire’s Pool)”など、絵はがきのような美景スポットを巡る。

リゾート内には、木々の緑に囲まれたスパVarua Te Ora Polynesian Spaの他、新しくオープンしたカジュアルな和食&鉄板焼きレストランNamiと、名高いエグゼクティブシェフPierre Lecorneが監修するエレガントなPierre Lecorneなど4つの飲食施設がある。

なお、水上ヴィラを探しているなら(ザ・ブランドのヴィラはオーシャンフロントだが、水上ではない)、インターコンチネンタル・ボラボラ・リゾート&タラソ・スパ(thalasso.intercontinental.com/villa-teremoana)の豪華なバンガロー「Villas Teremoana」(1~2ベッドルーム)がお薦めだ。海と神秘的なオテマヌ火山の景色が眼前に広がるこの高床式バンガローは、バンガローごとに大型インフィニティープールとデッキを完備。はしごを下りてアクアマリンのラグーンに浮かんでみれば、タヒチ語で言う“マナ”(「スピリチュアルな力」の意)を実感できるかもしれない。敷地内にある南太平洋初のタラソテラピースパDeep Ocean Spaでは、海水や海藻を使ったスキンケアの他、最先端のマッサージやトリートメントも提供している。 —Alev Aktar

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